●吃音(きつおん・どもること)は発達障害なのでしょうか?
吃音とは一見すると、言語障害のように見える。
「発語」や「発話」の発達障害といえばわかるでしょうか。
2005年以降、日本国内では発達障害者支援法というものが施行。
発達障害者支援法とは
http://law.e-gov.go.jp/htmldata/H16/H16HO167.html
この法律には法律で扱う日本国内で発達障害とする症状・障害を定義する通知文が別途出されている。
これは17文科初第16号厚生労働省発障第0401008号という通知文。
https://www.google.co.jp/url?sa=t&rct=j&q=&esrc=s&source=web&cd=1&cad=rja&uact=8&ved=0ahUKEwjyhvTKuIvWAhUEU7wKHWslC7MQFggnMAA&url=http%3A%2F%2Fwww.mhlw.go.jp%2Ftopics%2F2005%2F04%2Ftp0412-1e.html&usg=AFQjCNG2LzYzaU16oBQimdKeCVRXTmtHng
この通知文により、WHOの「疾病、傷害及び死因の統計分類」の太字部分が発達障害者支援法の対象であるとされている。
ICD-10(疾病及び関連保健問題の国際統計分類)における「心理的発達の障害(F80-F89)」及び「小児<児童>期及び青年期に通常発症する行動及び情緒の障害(F90-F98)」に含まれる障害であること。
「疾病、傷害及び死因の統計分類」とは??
厚生労働省の説明をご覧ください
http://www.mhlw.go.jp/toukei/sippei/
●発達障害者支援法により現在このような症状・障害が発達障害とされている
厚生労働省の管轄の「国立障害者リハビリテーションセンター」の中にある「発達障害情報・支援センター」や内閣府の「発達障害ってなんだろう?」というホームページには、以下のものが発達障害として紹介されている。
発達障害情報・支援センター http://www.rehab.go.jp/ddis/%E7%99%BA%E9%81%94%E9%9A%9C%E5%AE%B3%E3%82%92%E7%90%86%E8%A7%A3%E3%81%99%E3%82%8B/%E5%90%84%E9%9A%9C%E5%AE%B3%E3%81%AE%E5%AE%9A%E7%BE%A9/
広汎性発達障害とは
自閉症とは
アスペルガー症候群とは
学習障害(LD)とは
注意欠陥多動性障害(AD/HD)とは
トゥレット症候群とは
吃音[症]とは
その他の発達障害
内閣府の政府広報オンライン
http://www.gov-online.go.jp/featured/201104/contents/rikai.html
ここでは、発達障害のある人を理解するために、自閉症、アスペルガー症候群その他の広汎性発達障害、学習障害、注意欠陥多動性障害など、主な発達障害の特徴を紹介します。なお、発達障害は、複数の障害が重なって現われることもありますし、障害の程度や年齢(発達段階)、生活環境などによっても症状は違ってきます。発達障害は多様であることをご理解ください。
そこの説明項目と画像の中には「トゥレット症候群」、「吃音」も含まれている。
そして【発達障害は多様であることをご理解ください。】と書かれている。
そうなのです。
発達障害の特性とは「自閉症スペクトラム」、「ADHD」、「LD」、「チック・トゥレット症候群」、「吃音」などが 『特性』なのです。
発達障害の特性とはコミュニケーションが難しい、その人の世界がある、ルールに敏感、急な予定変更や環境変化に困ってしまう、こだわりがある、はじめて会う初対面の人でも友達だよと言われると相手の性別や年齢という疑念ポイントが無く信用して相手の要求にこたえてしまう(性犯罪に巻き込まれる人もいます)、感覚過敏、感覚鈍麻、人混みがキライ、人や香水や柔軟剤のニオイがキライ、満員電車に乗れない、注意散漫、過活動、過集中、忘れ物が多い、衝動性、グーグルマップを使っても目的地に遅刻する、音や光の変化に敏感、読み書き、音声チック、運動チック、吃ること吃音、それぞれが『発達障害の特性』になります。ここがとても重要です。
個人の発達障害の特性を「レーダーチャート」で「どの特性があるのか?」を表すというアプローチも今後利用されるかもしれません
吃音の場合は発話発語の部分に発達障害が表出していると。
しかし後述のように吃音業界には、発達障害児者と吃音児者は異なるから一緒だと思われた困るから!!という障害種別差別思考を持った人も残念ながら存在する。
●発達障害児者の子育て支援、療育、就労移行支援事業などのサービスを展開する民間の株式会社LITALICOではこのような説明が
LITALICO(りたりこ)発達ナビ | 発達障害ポータルサイトというサイトの中に。
・吃音(きつおん)とは?吃音の3つの種類や症状、原因、治療法について詳しく解説!
https://h-navi.jp/column/article/150
・神経発達症とは?発達障害との違いは?概要、分類と症状、原因、周囲の接し方について徹底解説!
https://h-navi.jp/column/article/35026377
の記事が掲載されている。
神経発達障害/神経発達症を説明する下のリンクでは「吃音」が「神経発達障害/神経発達症」に含まれていることが説明されている。
吃音も外見からみて、一見すると言語障害のようにみえるが、もともとは神経の発達阻害という共通の原因を持つ連続的な障害の中の「発話」、「発語」にあらわれる障害だということがわかる。
神経発達症に含まれる障害
神経発達症には、いくつかの障害が含まれます。『DSM-5』では、以下のような障害がまとめて神経発達症と呼ばれています。
・知的能力障害群(知的障害)
・コミュニケーション症群/コミュニケーション障害群(吃音など)
・自閉スペクトラム症/自閉症スペクトラム障害
・注意欠如・多動症/注意欠如・多動性障害
・限局性学習症/限局性学習障害(ディスレクシアなど、いわゆる「学習障害」)
・運動症群/運動障害群(発達性協調運動障害、チックなど)
・他の神経発達症群/他の神経発達障害群
どうして、これらの障害がすべて「神経発達症」という一つの障害にまとめられるのでしょうか。
それは、これらの障害は別々のものではなく、神経の発達阻害という共通の原因を持つ連続的な障害なのだという考え方に基づいています。「神経発達症」という言葉は、そうした連続的な障害の全体を指すための言葉です。近年、この考え方が広まりつつあります。
●日本国内でも海外の研究をもとに国内症例を確認した報告文が
音声言語医学 Vol. 57 (2016) No. 1 p. 7-11
吃音に併存する発達障害・精神神経疾患に関する検討 - J-Stage
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jjlp/57/1/57_7/_article/-char/ja/
吃音は社交不安障害などの精神神経疾患や発達障害が併存しうることは指摘されているが,これらの併存疾患に関する本邦からの報告はいまだ少数である.そのため,本邦における吃音と併存疾患との関連を検討することを目的に,2012年と2013年に慶應義塾大学耳鼻咽喉科を受診し吃音と診断された39症例について,併存する精神神経疾患および発達障害の有無を調べ,性別,年齢,発吃年齢,吃音頻度との関連を後方視的に調査した.この症例報告によると、吃音と発達障害の併存が指摘されている。吃音と発達障害の両方を持っている当事者がいることがわかる。
併存する精神神経疾患として,気分障害(うつ,適応障害),強迫神経症,てんかん,頸性チックの合併を全体の15%に認めた.発達障害の併存は,疑い例や言語発達障害のみの症例を含め18%に見られた.発達障害の有無によって吃音頻度,性別,年齢に有意差は見られなかったが,発吃年齢は発達障害併存群で有意に高い結果だった.吃音は発達障害が併存することにより,発達障害を併存しない吃音とは異なった臨床経過を示す可能性が示唆された.
リタリコ発達ナビの記事でもあったように『神経の発達阻害という共通の原因を持つ連続的な障害の中』に自閉症スペクトラム障害や吃音、ADHD、学習障害、トゥレット症候群・チック、発達性協調運動障害などが含まれていることになる。
吃音は言語障害のように見えるが、神経の発達阻害が影響しているとなれば、他の発達障害との併存も理解できる。
●しかし吃音当事者やその保護者、家族、支援者に吃音が発達障害ではないと発言する人も存在する。
問題なのは吃音当事者、吃音当事者に関わりのある医療従事者や支援者、学校教員が吃音だけは発達障害ではない。吃音は障害ではない。という考えを持っている人がいること。
吃音者は発達障害の人ような『特性』はない。
発達障害といえば精神障害者保健福祉手帳の交付対象ではないか?
吃音は精神がオカシイとか、アタマがオカシイ奴らだと周囲から思われた困るだとか。
吃音が発達障害だと思われたら、空気読めない人、こだわりの強い人、衝動性のある人だとか周囲から思われたら困るだとか。
そういった考えがあるのかもしれませんね…。
本当に悲しいことです。吃音も発達障害の中の1つの『特性』なのに―。
発達障害者同士、困っている人同士なのに、あなたとはここが違う。
あなた方と同じだと思われてしまうのが嫌。吃音はそうではありませんから!
吃音児者やその保護者、関係者の中には
『そう思われてしまうと不都合やデメリットがあるのでしょうか?』
はたしてその不都合やデメリットは障害当事者の中にあるのでしょうか?
それとも障害当事者、社会的障壁を持った人、マイノリティを無意識のうちに又は意識して避けている社会の中にあるのでしょうか?その社会の価値観で育ってしまったがゆえに
『吃音もそう思われたら困る』と考えている吃音当事者や保護者、関係者が存在感するのかもしれません。
そのような価値観にさらされて成長してまった背景には理由があるのかもしれませんしないかもしれません。吃音業界の人はライシャワー事件や宇都宮病院事件、CPの人が車椅子でもバスに乗れるように、障害のある子どもを殺害してしまった保護者への寛容な裁判やそれに理解を示すようなマスコミ報道、そういった当時のニュースにより無意識の内に価値観が身につくようになったのかもしれません。吃音のある子どもを持つ保護者の場合、現在、保護者自身が勤務している職場において吃音者も発達障害者も受け入れられていない!だからなんとかしないといけないんだ!と考えている人もいるかもしれません。
しかし、これからの時代は昔とは違うはずです。スモールステップアップで周囲や社会に伝えていけばいいのです。
特性が異なるけど発達障害児者同士、お互いを知り、学び、困っていることがあれば、大同団結して一緒に社会に働きかけていこう。という世の中に変化してほしいと願うばかりです。
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